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京都の民泊・簡易宿所、規制強化にどう備える?

「続ける」だけが選択肢ではない。シェアハウス、通常賃貸、売却まで出口を先に比べる。
SHORT VIDEO
民泊・簡易宿所の規制と今後を考える関連ショート動画。クリックするとその場で再生します。
2026年9月5日時点:規制強化は「検討・素案」の段階です京都市は2026年8月31日の「京都市にふさわしい民泊の在り方検討会議」で、地域の実情を踏まえた民泊規制強化策の素案を議題としました。京都市は令和8年度中の条例改正提案を目指していますが、最終的な対象施設、施行時期、経過措置などは今後の条例・規則等で確認する必要があります。
京都市 第2回検討会議・公開資料 →

1 「規制が決まった」ではなく、今は出口を準備するタイミング

京都市では、住宅宿泊事業と旅館業法上の簡易宿所を含む民泊について、生活環境との調和を理由に規制の見直し・強化が検討されています。現行制度でも、住宅宿泊事業は年間180日上限や京都市独自の営業制限があり、簡易宿所は旅館業法の許可、建築・消防等の基準に適合する必要があります。

大事なのは、規制強化のニュースだけで慌てて売却するのではなく、「継続した場合の収益」「住宅賃貸に変えた場合の収益」「シェアハウス化の改修費」「今売った場合の手取り」を同時に比較しておくことです。

継続宿泊収益 − 人件費・管理費・規制対応費
シェアハウス長期賃料 − 改修・管理費
通常賃貸住宅賃料 − 管理・修繕費
売却売却価格 − 売却費用・税金

2 出口1:条件が合うなら、宿泊事業を継続する

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収益力が高い施設は「継続可能性」を先に確認

既存の旅館業許可・住宅宿泊事業届出、用途地域、建築・消防の適合状況、管理体制などを整理し、最終的な条例改正内容が出た時点で追加コストを試算します。

  • 現行の許可・届出内容を確認
  • 建築・消防設備の適合状況を確認
  • 人員配置や管理委託費が増えた場合の収益を再計算
  • 条例改正後の経過措置・既存施設の取扱いを確認

現行の旅館業手続や住宅宿泊事業のルールは京都市が公開しています。旅館業法関係手続 / 住宅宿泊事業の京都市独自ルール

3 出口2:客室数が多いなら「シェアハウス」への転換も候補

個室が複数あり、共用のキッチン・リビング・浴室を作りやすい建物なら、宿泊客ではなく長期入居者が暮らすシェアハウスとして再利用できる可能性があります。

向いている建物

個室が複数ある

簡易宿所の客室構成を生かしやすく、学生・若手社会人など複数人の長期居住に転換しやすい場合があります。

重要

「名前を変えるだけ」ではない

国土交通省は、既存住宅をシェアハウスとして活用する場合、原則として建築基準法上の寄宿舎への用途変更や関係法令への対応が必要になると案内しています。

シェアハウス化は、まず建築士・行政・消防へ確認。
非常用照明、間仕切り、消防設備など、建物の規模・構造・既存用途によって必要な工事が変わります。宿泊施設から住宅系用途へ変える場合も、現況図と確認済証等を基に適法性を確認してから募集するのが安全です。

国土交通省「シェアハウスの運営管理の各段階での手続きと留意点」

4 出口3:1棟貸し・一般住宅として通常賃貸へ

戸建て型の簡易宿所や民泊で、1世帯が暮らせる間取りなら、通常の住宅賃貸へ戻す方法があります。宿泊事業より売上は下がっても、清掃・OTA手数料・チェックイン対応・宿泊者対応などがなくなり、収入の安定性を重視できるのがメリットです。

LONG RENT

一般賃貸

  • 周辺の長期賃料を査定
  • 家具・寝具を残すか撤去するか
  • 住宅設備として不足がないか確認
  • 火災保険・融資条件・管理契約も見直す
MANAGEMENT

管理を委託する

入居募集、家賃回収、修繕、退去立会いまで管理会社へ委託すれば、宿泊運営よりオーナーの実務負担を下げられる場合があります。

5 注意:「マンスリーにすれば規制を避けられる」とは限らない

宿泊から賃貸へ切り替えるときに特に注意したいポイントです。京都市消防局は、1か月未満の期間を単位として利用させ、対価を得る場合は、名称が「賃貸料」「利用料」であっても消防法令上の宿泊施設に該当し得ると案内しています。

「民泊をやめて短期賃貸と呼ぶ」だけでは、法令上の扱いが変わらない場合があります。契約期間、利用実態、建物用途を確認し、短期賃貸へ変更する前に行政・専門家へ相談してください。

京都市消防局「宿泊施設の開設を計画されている関係者の皆様へ」

6 出口4:規制対応費をかけず「売却」する

追加人件費や設備改修を入れると収益が合わない場合、売却も合理的な出口です。ただし、「宿泊施設として売る価格」と「住宅・収益物件として売る価格」は同じとは限りません。

宿泊施設として

収益物件として売却

立地、過去の売上、設備、許可・届出の状況を整理して、宿泊事業者向けに売る方法。事業者変更・許認可等の手続は個別確認が必要です。

住宅として

住宅・投資物件として売却

住宅としての間取り、再賃貸の想定賃料、土地建物の資産価値を軸に売る方法。宿泊用途のプレミアムに依存しない出口です。

「根抵当権が付いている=今すぐ現金で完済できないと売れない」ではありません。
現時点で自己資金だけでは借入を完済できなくても、売却代金で返済し、決済・引渡し時に担保を抹消できる見込みがあれば、売却を進められる場合があります。住宅ローンでも、金融機関は「売却による完済日」と同日に担保抹消書類を受け取る手続を案内しています。

ただし、根抵当権は通常の抵当権より事前確認が重要です。極度額ではなく実際の被担保債権残高、元本確定の要否、金融機関の解除条件、完済日、抹消書類の受取方法を、売却前に金融機関・司法書士と確認します。売却代金だけでは返済額や諸費用を賄えない場合は、差額資金や金融機関との別途協議が必要です。
三井住友銀行:売却等で完済日と同日に担保抹消書類が必要な場合 →
法務局:根抵当権の抹消登記 →

家具・家電・備品も「処分費」だけでなく売却資産として考える

民泊・簡易宿所で使っていたベッド、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、テーブル、椅子、照明、調理家電などの家具・家電・備品は、不動産そのものとは別の動産・事業用設備として売却対象にできます。不動産と一緒に買主へ引き継ぐ方法だけでなく、家具・家電だけを別途売却する方法もあります。

まとめて売る

不動産+家具家電

宿泊・シェアハウス・賃貸としてすぐ使いたい買主には、家具家電付きで引き継げることがメリットになる場合があります。売買対象の品目と状態を一覧にして、土地建物とは分けて確認します。

分けて売る

家具家電だけ売却

買主が不要な場合は、中古買取、業者売却などで換価し、撤去費用を抑えられる可能性があります。大型家具や業務用設備は、処分前に買取可否を確認します。

家具・家電は「付いているもの全部」ではなく、品目表を作る。
所有者、型番・数量、故障や傷、リモコン・説明書の有無、引渡し対象か撤去対象かを明確にしておくと、決済後の「これは残す予定だった/撤去する予定だった」というトラブルを減らせます。事業として家具・家電・備品を有償で売却する場合は、消費税など税務上の取扱いも確認してください。

国税庁も、機械・備品などの事業用設備の売却を「資産の譲渡」の例として示しています。国税庁 No.6145 資産の譲渡の具体例 →

売却を選ぶ場合は、1社の査定だけでなく、複数の査定サービス・不動産会社で「宿泊施設としての評価」「住宅としての評価」「家具家電を含めた引継ぎ価値」を比較すると判断しやすくなります。

7 出口を決める前に、この7つを数字にする

比較項目確認すること
現在の宿泊利益売上ではなく、OTA・清掃・人件費・光熱費・管理費を引いた利益
規制対応後の利益追加人件費、管理体制、設備投資を入れた後でも残るか
長期賃料一般賃貸・シェアハウスで年間いくら残るか
転換費用用途変更、消防、間取り、住宅設備、家具撤去など
担保・借入抵当権・根抵当権の種類、実際の残高、売却代金で完済できるか、金融機関の抹消条件
家具家電・備品不動産と一緒に引き継ぐか、別途売却するか。品目・状態・残存価値・撤去費を確認
売却手取り売却価格からローン残債、仲介手数料、税金等を引いた金額

賃貸化・シェアハウス化を検討

周辺賃料、入居ターゲット、管理方法を整理し、「宿泊をやめた後にいくらで貸せるか」を先に確認。

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売却も含めて比較

宿泊施設として持ち続ける場合と、住宅・収益物件として売却する場合の手取りを比較。

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